皆さんは、例えば「 ITベンチャー企業の社員は男性」など、自分の中での思い込みのイメージで物事を判断してしまうことはありませんか?
このような思い込みをアンコンシャス・バイアスといい、2013年にGoogle社が社員と経営陣向けに、この研修を始めたことから注目されています。教育を通してアンコンシャス・バイアスを知る事で、職場でのコミュニケーションやハラスメント、組織や個人のパフォーマンス向上に影響を与えるとも考えられています。
今回は、そんなアンコンシャス・バイアスについてご紹介します。
【アンコンシャス・バイアスとは】
「アンコンシャス・バイアス」は、「アンコンシャス(unconscious)=無意識」と「バイアス(bias)=偏見」から構成され、「無意識の偏見」つまり、自分自身が気づいていない「ものの見方や捉え方のゆがみ・偏り」のことをいいます。
アンコンシャス・バイアスは、これまでの経験や環境によってできた価値観などをもとに自動的に判断され、その判断基準として、性別・年齢・話し言葉やしぐさなどが挙げられます。例えば、「お茶出しやコピーをするのは女性」「機械に詳しいのは男性」「血液型で性格を判断する」「飲み会に参加しないとやる気がない社員と思われる」などといった考えが具体的な例です。
アンコンシャス・バイアスはそれ自体が悪影響というものではなく、それを知ることで、組織にネガティブな影響を与える要因となりうる偏ったものの見方を直し、より良い組織づくりをしていくというものです。
つまり、アンコンシャス・バイアスを知り、意識して行動していくことで仕事における心理的安全性(心理的安全性については、こちらから)が保たれ、コミュニケーションやモチベーションの向上、ハラスメント防止などが期待できます。結果的に、組織のパフォーマンス向上に繋がっていくため、この研修が多くの企業で注目され、取り入れられているのです。
Google社では、この研修動画を公開しています。
Unconscious Bias @ Work の動画
【アンコンシャス・バイアスを知る】
アンコンシャス・バイアスは無意識に行われているため、まずは、それを知るということが大切です。そして、それを知る事で初めて自分の中に無意識の思い込みが存在し、それがどういうものなのかと気付くことができます。
自分の中にあるアンコンシャス・バイアスに気付き、それに対処できるようになると、他の人に対する接し方やものの考え方がより良い方向に向かっていき、職場環境や人間関係の改善が期待できるのです。
IATテストから、自分自身にあるアンコンシャス・バイアスについて知ることができます。
IAT(潜在連合テスト)を受ける
【アンコンシャス・バイアスのパターン】
アンコンシャス・バイアスにはどういったものがあるのか、具体的に例を見てみましょう。
・正常性バイアス
周りが危機的状況になったとしても、都合の悪い情報を無視して「自分は大丈夫」と思い込む
・ステレオタイプバイアス
特定のグループなど、人の属性をもとに先入観や固定概念で決めつけてしまう
例:アメリカ人はオープンマインドだ。男性はパソコンに詳しい。
・ハロー効果
モノや人を評価する時に、ある特徴的な一面に影響され、その他の側面に対しても同じように評価してしまう
例:学歴が高い人は優秀。有名女優が使っている化粧品なので品質が期待できる。
・権威バイアス
社長や役員など偉い人が言うことは間違いないと思い込む
・確証バイアス
自分の意見や価値観を正当化する情報ばかりを集め、反証となる情報を無視または排除する
・集団同調性バイアス
集団に属することで多数派や圧力によって、周りと同じように合わせる
・アインシュテルング効果
慣れ親しんだ考え方や見方に固執し、他の視点に気づかない、または他の意見を無視する
これらの偏見が自分の中に存在していると意識し、自分の発言や行動を変えていくだけでも、会社の同僚との関係が良い方向に変わっていくかもしれません。
【まとめ】
いかがでしたか?アンコンシャス・バイアスは自分の中に無意識に存在し、判断されるため、まずはそれに気付くということが大切になります。自分自身のアンコンシャス・バイアスを知り、より良い人間関係や組織づくりを目指してみませんか?
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