新型コロナウイルスの影響により、私たちの働き方は時間と共に変化し続けています。現在は新型コロナウイルスの規制緩和により、リモートワーク中心から再び出社型へと移行してきています。
アメリカの電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は、従業員宛のメールで「少なくとも週40時間の出社」を求め、従わなければ「退職したとみなす」と伝えたとされ、大きな話題となっています。
多くの企業で再び出社型へとシフトしてきている現在、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が注目されています。今回のブログでは、このハイブリッドワークについてや、導入のメリットやデメリットなどについてご紹介していきます。
【ハイブリッドワークとは?】
ハイブリッドワークとは、オフィスワークとリモートワークを組み合わせたワークスタイルのことをいいます。
企業によっては1週間当たりの出社日数が定められていたり、全員出社の日が設けられているケースもあります。また、リモートワークには、在宅だけでなくコワーキングスペースでの仕事やワーケーションなど、様々な働き方も含まれます。
ハイブリッドワーク の導入により、従業員は個人の都合に合わせて働き方を柔軟に選択することができるようになり、出社と組み合わせることで、リモートワークでのコミュニケーション不足などの問題を解消することができるようになりました。
現在、企業では社員一人一人のライフスタイルに合わせた様々な働き方が求められており、これに柔軟に対応している企業が増えてきています。では実際に、大手企業ではどのような働き方を採用しているのでしょうか?具体的な例をみてみましょう。
【大手企業での例】
・グーグルでは、4月4日から、週3日のオフィスワークと週2日のリモートワーク を組み合わせたハイブリッドワーク制を本格的に開始しています。
・アップルでは、4月11日から段階的にオフィスワークを増やしていくハイブリッドワーク制を実施し始めました。5月23日以降は、週3日の曜日が指定されており、社員は月、火、木の3日間をオフィスで過ごす必要があるとされています。
・ツイッターでは、2021年5月にリモートワーク永久許可制度が導入されており、出社するかどうかは社員個人の判断に委ねられています。社員が最も生産的でクリエイティブに働ける場所が重要だとされています。
【ハイブリッドワークのメリット】
ハイブリッドワークを取り入れることで、企業側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
【①従業員の満足度やモチベーションUP】
ハイブリッドワークを取り入れることで、従業員はそれぞれの生活や状況によって、働く場所を選択することができます。
例えば…
・自宅では仕事に集中できない(子供がいて集中できない)
・社内でしかできない仕事(商談や会議など)がある
・対人コミュニケーションが取れる環境が良い
などという場合は出社を選択し、
・育児・介護中で自宅だと働ける
・子供の急な発熱や休校などに対応できる
・自宅で集中して終わらせたい仕事がある
・通勤時間が長く、毎日の出社が大変
などという場合はリモートワークを選択するなど、それぞれの事情に合わせて働く場所を選択できることで従業員の満足度が上がり、仕事に対するモチベーションも上がります。
また、従業員はその都度、自分にあった最適な環境で働くことができるので、生産性の向上も期待できるのです。
【②オフィスの最適化】
ハイブリッドワークによって出社する社員の人数が減り、フリーアドレス制を導入することでオフィスを縮小することが可能になり、固定費を削減することができます。
もしくは、オフィスの規模をそのままにしたとしても、これまで設置するのが難しかった休憩室の拡大やラウンジ、パーソナルスペースなどを拡張し、効率良くオフィスを活用することができます。また、多目的スペースや集中ブースなどの充実により、従業員のパフォーマンスや満足度を高めることも期待できます。
【③従業員の定着と人材確保】
従業員一人一人の環境に合わせた働き方を自由に選択でき、働きやすい環境で長く働き続けられるようになることで、離職防止が期待できます。また、これまで育児や介護が理由で退職せざるをえなかった人材を減らすことができます。
さらに、働きやすさやワークライフバランスを重視する求職者に取っては、魅力的な環境となり、優秀な人材を確保しやすくなります。
【ハイブリッドワークのデメリット】
ハイブリッドワークの導入による様々なメリットを挙げましたが、一方でデメリットもあります。どのようなデメリットが考えられるのでしょうか?
【①勤怠管理が難しい】
出社している社員とリモートワークの社員が混在し、日々勤務状況が変化するハイブリッドワークでは、勤怠管理が煩雑になります。誰がどこで仕事をしているのか把握しにくいため、誰でもわかる仕組みづくりをしていく必要があります。
【②コミュニケーションが不足する】
出社と在宅が混在するハイブリッドワークでは、コミュニケーションが取りにくく、不足しがちです。また、その場でコミュニケーションが取れる出社組とテレワーク組に情報などの格差が出やすくなるため、特に注意が必要です。
【③セキュリティの問題】
ハイブリッドワークでは従業員の働く場所が多様化し、パソコンや資料を持ち歩く機会が増えるため、セキュリティに気を付けなければなりません。コワーキングスペースや電車などでの盗聴や覗き見、機器の置き忘れにも注意が必要です。
【④評価制度が不公平になる】
ハイブリッドワーク では、出社組とリモート組に分かれてしまうことが傾向があり、そのために評価の差が生まれてしまうことがあります。例えば、上司が出社している場合、出社している部下の方が仕事の様子が目で見てわかるため、評価されやすくなります。
【ハイブリッドワーク実施のポイント】
これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、ハイブリッドワークを導入し、有効に活用していくためには、どのような事に気を付けたらよいのでしょうか?
【勤怠管理や健康状態の把握】
誰がどこで働いているかが見えにくいハイブリッドワークでは、勤怠管理ツールを導入するなどして勤務状況を把握し、離れていても働きすぎになっていないかなど、労働時間を確認できる仕組みづくりをしましょう。
また、特にリモートワーク社員の状況や体調の変化などがわかりにくくなるため、社員の健康状態を可視化できるものや、気軽に相談しやすい環境づくりをすることで、社員のフォローを行いましょう。
【出社組とリモート組の格差をなくす】
ハイブリッドワークでは、どうしても出社組とテレワーク組の差がでやすくなるため、情報格差が出ないように、出社組も常にSlackなどのコミュニケーションツールを通して連絡を取り合い、リモートワークの人に合わせた情報の共有を心がけましょう。
また、定期的なWebミーティングを実施し、情報交換やちょっとした雑談を行い、日頃から積極的なコミュニケーションをはかりましょう。
さらに、出社組とリモート組の間に評価の差が出ないような公平な人事評価制度が必要となります。不公平にならないように、遠隔でも成果を正しく評価できる仕組みを取り入れましょう。
【セキュリティの強化】
ハイブリッドワークでのセキュリティのリスクを減らすため、研修などを通して従業員のセキュリティ意識を高めることが大切です。それと同時に、セキュリティ対策を強化していく必要があります。また、社外からのアクセス対応など環境を整備していきましょう。
【まとめ】
いかがでしたか?ハイブリッドワークでは柔軟な働き方ができる一方、積極的なコミュニケーションを心がけ、出社組とリモート組みの差がでない仕組み作りをしていくことが大切です。従業員がより働きやすく満足度の高い環境づくりをしていきましょう!
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