皆さんは、自分のキャリアの軸となる考えや価値観などがありますか?
「キャリア・アンカー」は、自らのキャリアを選択する際に軸となる価値観や要求・コアコンピタンス(能力)のことをいい、8つのタイプに分類されます。
今回のブログでは、この「キャリア・アンカー」についてご紹介します。どのような分類があるのか、またそれを知ることでどのように活用できるのかをみてみましょう!
【キャリア・アンカー(career anchor)とは?】
「キャリア・アンカー」は、マサチューセッツ工科大学の組織心理学者エドガー・ヘンリー・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論で、自らのキャリアを選択する際に軸となる価値観や要求・コアコンピタンス(能力)のことをいい、人生の「アンカー」として例えられています。英語の「anchor(アンカー)」は「船の錨(いかり)」を意味します。
一度形成されたキャリア・アンカーは、周囲の環境や年齢が変化しても、生涯にわたって変わらずに自分のキャリアの軸となると言われています。
キャリア・アンカーを個人の特性や能力などを判断するツールとして利用し、人員配置や職種をまたぐ職場移動の際に活かすことで、従業員のモチベーションや生産性の向上が期待できます。
キャリア・アンカーは30〜40代頃で明確になると言われており、新卒社員などの若手社員には適さないため、キャリアが確率した年齢で活用するとより効果が発揮できる可能性が高いでしょう。
【キャリア・アンカー8つの分類】
では、実際にキャリア・アンカーにはどのような分類があるのかをみていきましょう!
キャリア・アンカーは以下の8種類に分類されます。
【①専門・職能別能力(TF Technical/Functional Competence)】
専門・職能別能力タイプは、特定の分野で能力を発揮し、専門性や技術が高まることに意欲や満足感を感じるタイプです。
特定の分野でのエキスパートとして活躍したり、専門的なスキルや知識を身に付けたりすることに喜びを感じます。一方で、自分の能力を発揮できない部署へ異動すると、やりがいを見失ってしまい、満足度が低下してしまいます。
【②全般管理能力(GM General Managerial Cometence)】
全般管理能力タイプは、ゼネラル・マネージャーとして経営管理に携わりたいという気持ちの強い、いわゆる「出世志向」が強いタイプです。
組織の中で責任のある仕事がしたい、組織を動かすような仕事がしたいという気持ちが強く、若いうちは多くの経験を積もうと異動も積極的に受け入れ、昇進のための資格取得にも熱心に取り組みます。
【③自立・独立(AU Autonomy/Independence)】
自立・独立タイプは、組織のルールや規則に縛られず、自分のやり方で仕事を進めていくことを望むタイプです。
自分の納得のできるやり方で進めたいという気持ちが強いため、上司との距離が近く、すぐに提案や相談ができるような環境で力を発揮できるでしょう。
【④保障・安定(SE Security/Stability)】
保障・安定タイプは、安定的に一つの組織に忠誠を尽くし、社会的・経済的な安定や終身雇用が期待できる大企業で働くことを望むタイプです。
大きな変化を嫌うため、これまでと異なる働き方や部署異動に抵抗を感じるタイプです。
【⑤起業家的創造性(EC Entrepreneurial Creativilty)】
起業家的創造性タイプは、新しい商品を開発したり組織を立ち上げたりするなど、新しいものを生み出すことに充実感を感じるタイプです。リスクを恐れず、クリエイティブに新しいことを創り出すことを望みます。
常に企業や独立の可能性を探っているため、社内にとどめておきたい優秀な人材であれば、新規プロジェクトや社内ベンチャーを任せるのも有効です。
【⑥奉仕・社会貢献(SV Servicr/Dedication to a Cause)】
奉仕・社会貢献タイプは、社会をよくしたり人の役に立つことに価値を見い出すタイプです。仕事を通して世の中をよくしたり社会に貢献したいという思いが強く、いかに人の役に立つかということを重視します。
【⑦純粋な挑戦(CH Pure Challenge)】
純粋な挑戦タイプは、あえて「解決困難に見える問題の解決」や「手強いライバルとの競争」に挑戦することで、やりがいを感じるタイプです。自分の得意・不得意にかかわらず、困難な状況への挑戦することに喜びを感じ、積極的に取り組みます。
異動や転職に前向きですが、ルーティンワークのように日々淡々とこなす仕事は苦手な傾向があります。
【⑧生活様式(LS Lifestyle)】
生活様式タイプは、個人的な欲求や家族の願望など、仕事とプライベート両立のバランスを常に考え、重視するタイプです。在宅勤務や育児休暇の取得など働きやすい環境を求める傾向があります。
【キャリア・アンカーの診断方法】
自分のキャリア・アンカーは下記のサイトから診断することができます。40問の設問に答えるだけで、簡単に診断できます。
参考:https://chikaku-navi.com/carrier/
【キャリア・アンカーの活用】
自分のキャリア・アンカーを知ることで、自分自身について、自分のキャリアについての理解を深めることができます。
また、企業において社員の性格や価値観に合った人材配置を考える際に役立つ一つの材料となります。社員一人一人のキャリ・アンカーを知ることで、個人の特性に合った職種や職場の異動、人員の適材適所の配置に活用することができます。
さらに、適材適所のミスマッチを防ぐことで優秀な人材の離職を防止し、個人の能力を最大限に発揮することにより、企業の生産性向上が期待できます。
【まとめ】
いかがでしたか?キャリア・アンカーの分類を知り理解を深めることで、個人の能力や価値観を理解したり、人員配置や移動に活用したりすることができます。この機会に一度キャリア・アンカーを活用し、従業員のキャリア軸について知ることで組織の運営に役立てましょう!
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