今回は私たちも日々活用しているカスタマーサポートのためのツール「Intercom(インターコム)」についての概要や基本的な機能についてご紹介します。
【Intercomとは?】
「Intercom(インターコム)」はカスタマーサポート業務を効率化できるプラットフォームサービスです。お問い合わせ対応などに利用できるだけでなく、顧客エンゲージメント向上やマーケティングにも活用できます。
Intercomはコード入力などの必要がなく、パソコンを使い慣れていない初心者でも簡単にお客様の対応に利用したり、ヘルプセンターを作成したりできるのが特徴です。
ただし、現在のところ日本語版のヘルプセンター(一部)などを除き、操作画面や問い合わせなど英語のみの対応となっています。
【Intercom 基本的な機能】
Intercomの基本的な機能で、私たちも活用しているものについてご紹介します。
- チャット (Inbox)
- ヘルプセンター (Articles)
- お客様対応ボット (Bots)
- プロダクトツアー (Product Tours)
- メール配信 (Emails, Series)
- 顧客管理 (Contacts)
①チャット (Inbox)
ウェブサイトなどにチャットボタンを配置することで、お客様からのお問い合わせをチャットで対応できるようになります。また、メッセージが送信されたりボタンが選択されると、全てIntercomのInboxに内容が入り、すぐに確認や返信をすることができます。
②ヘルプセンター (Articles)
コード入力などの特別な知識がなくても、下のようなヘルプセンターを簡単に作成することができます。
③お客様対応ボット (Bots)
お客様に必要な情報やお問い合わせの自動対応ができるボットを設定することで、問い合わせ業務をより効率的に行うことができます。
④プロダクトツアー (Product Tours)
サービスの使い方ガイドを設定することでユーザーは順番に操作していくだけなので、使い方を理解しやすく、スムーズに利用を開始できます。
⑤メール配信 (Emails, Series)
ユーザーに対して一斉にメール配信することができます。テンプレートも利用でき、簡単に作成できます。ユーザーの使用頻度や使用期間などで条件を絞り、対象者にのみメール配信することができるので便利です。
⑥顧客情報 (Contacts)
顧客の情報を一括で管理することができます。Intercomでは、自動的に顧客情報が振り分けられます。
- Visitor(訪問客) ホームページを訪れた人
- Leads(リーダー) メッセージのやり取りや自動メッセージの送信があった人
- Users(ユーザー) サービスにログインし、使用開始した人
このうち、Intercom上のContacts(連絡先)に自動的に登録されるのはLeadsとUsersで、Leadがサービスにログインした時点からUserに切り替わります。
会社などの属性だけでなく、LeadsやUsersの中でも使用頻度や利用開始日などで情報を抽出したりできるので、効率よくターゲットを絞り込むことができます。
【Intercom 実際の使い方】
それでは、それぞれの機能についての具体的な使い方を実際にみてみましょう!
【① チャット(Inbox)】
ホームページなどにチャットを設定すると、チャットにメッセージが入力されたり、ボタンがクリックされるとIntercom上にメッセージが入ってきます。Inboxを確認し返信することにより、お客様へすぐに対応できます。
左側メニューにある「メール」マークをクリックし「Inbox」→「All」を開くと、新着メッセージより順に上から表示され、メッセージを確認できます。メッセージを開き返信を入力することで、すぐに対応できます。絵文字や画像、記事などもその場で挿入できます。
担当者に振り分ける方法
一度対応したメッセージに対し、今後も同じ人が担当したい場合、担当者を振り分けることができます。上にある「人のマーク」をクリックすると現れる担当者一覧から担当者を選択できます。これにより、一つの問い合わせに対して同じ人が担当し続けることができるので便利です。
また、対応が終わったメールに関しては右上にあるチェックマーク☑️「Close conversation」で閉じることで対応済みになり、InboxのAll欄からなくなります。
【② ヘルプセンター(Articles)】
Intercomではコード入力などの特別な知識がなくても、簡単に下のようなヘルプセンターを作成することができます。
ヘルプセンターの新規作成
1. ヘルプセンターホーム画面の基本設定をしましょう!
左側メニューにある本のマーク①「Articles」→②「Help Center」→③「Settings」→④「Set up the basicsの詳細▶️」の順にクリックします。
「Set up the basics」から「Keep your Help Center private」までの4項目を順番に開いていき、各項目を順に入力します。画像やデザインを選択することで、ヘルプセンターホーム画面の基本的な設定が簡単にできます。
2. ヘルプセンターの記事を作成しましょう!
左側メニューにある本のマーク「Articles」→画面右上の「New article」をクリックし、ヘルプセンターの元となる記事をどんどん作成していきます。
下記のようにタイトル(サブタイトル)を入力し、投稿者を選択、記事の内容を入力します。画面下に現れる黒いメニューボタンより、画像や動画、ボタンなどの挿入ができます。記事の作成途中でこまめに「Save and close」で保存しながら作成するのがおすすめです。
元となる記事の作成が終わったら、項目ごとに記事を整理していきます。
3. 記事を項目ごとにまとめ、ヘルプセンターを仕上げましょう!
左側メニューにある本のマーク「Articles」→「Help Center」→画面右上の「New collection」の順にクリックします。
次に、記事のまとまりとなる「section」をどんどん作成していきます。
①collection(大きな記事のまとまり)のタイトル(とサブタイトル)を入力
②をクリックして、アイコンを選択
③小見出しが必要であれば、「Add section」から追加
右上にある「Add articles」をクリックすると、手順2.で作成した記事一覧が表示されるので、挿入する記事を選択して、どんどん追加します。追加した記事は、記事タイトル左側に表示される「点が6つ並んだマーク」をドラッグすることで移動でき、表示順を変更できます。
⬇︎ 上記で設定したヘルプセンターの実際の画面
全ての記事を追加したらヘルプセンターの仕上がりを確認しながら修正を加え、並べ替えて完成です!
※作成したヘルプセンター画面の仕上がりを確認する場合は、「Article」→「Help Center」をクリックし、画面上部にあるリンク「Go to your Help Center」より確認できます。
【③ お客様対応ボット(Bots)】
ホームページ上のチャットボットとは別に、特定のページや状況に応じて、お客様の必要な情報や的確なお問い合わせを導くボットを設定できます。これにより、問い合わせ業務をより効率的に行うことができます。まずは、どのページにどんな案内を表示したいのかをイメージしてから作成すると良いでしょう。
Custom Botsの新規作成
1. 左側メニューの「Operator」→「Custom Bots」をクリック
2. 右上にある「New Custom Bot」をクリックし、テンプレート(英語のみ)から選ぶか「New Custom Bot」から新規作成
3. Botの内容を作成(Content)
①Botの題名を入力(管理しやすい名前)
②Bot導入部分の見出しを入力(お客様へは表示されません)
③お客様へご案内したい内容を入力。絵文字や画像などは、下の項目から選んで挿入
④ ③の文章を読んだ後、次のステップとなる選択肢を作成
⑤「Add」より、必要な数だけ項目を追加
4. 手順3.の④と⑤で作成した選択肢の次のステップを作成
先ほど作成した選択肢となる部分(左側のB. C. …)より、内容を作成する項目(ここではC.を選択)をクリックし、答えとなる内容を作成します。下記の例のようにリンク先を作成したり、画像や参考記事を追加でます。さらに項目を追加する場合は「Add」より追加していきます。
お客様が必要とするであろう選択肢と、それに対する答えを想定して作成していくのがポイントです。作成後に順序を変えたり、選択肢をさらに追加することも可能です。
5. Botを配信する条件の設定(Rules)
どのようなターゲットにBotを表示させるかを考え、「When」「Where」「If」の各項目より、必要な条件を選んで設定します。
・「Where」よりページのURLや何秒経ってからBotを表示させるかを設定
・「If」より、「Visitor」「Leads」「Users」の誰に表示させるかを選択。「Add Audience rule」で更に対象者を訪問回数(Web sessions)や最終閲覧日(Last seen)など、様々な条件で絞り込むことができます。
- Visitor(訪問客) ホームページを訪れた人
- Leads(リーダー) メッセージのやり取りや自動メッセージの送信があった人
- Users(ユーザー) サービスにログインし、使用開始した人
6. 最後に「Scheduling」や「Goal(必要であれば)」を設定し、「✔︎ Save and close」をクリックし、「▶️ Set live」をクリックすることで、Botの配信が開始します。
【④ プロダクトツアー(Product Tours)】
Intercomを使ってサービスの使い方ガイドを設定することで、新規ユーザーでも使い方を理解しやすく、スムーズに利用開始できます。これにより、サポート業務が効率化できます。
Product Tourの新規作成
1. 左側メニューの紙飛行機マーク「Outbound」→「Product Tours」をクリックし、画面右上にある「New product tour」をクリックします。
2. テンプレートより選択するか、「New product tour」から新規作成します。
3.画面一番上にタイトル(Untitled tourの部分)を入力し、①Create your tourより「Sender(配信者)」を選択し、「Add steps」をクリックします。
4. ツアーを設定するURL入力画面が出るので、URLを入力します。
5. 画面右下に表示される「✔︎Begin tour here」をクリックし、小画面に現れる「+」マークの「Add post」「Add pointer」「Add video pointer」の3つの中から選択し、ガイドを作成していきます。(※具体的な使い方例は下記の通り)
- 「Add post」画面中央に表示される。ご挨拶や概要などに利用する場合
- 「Add pointer」実際にクリックする場所や具体的な場所を指し示して説明をする場合
- 「Add video pointer」具体的な場所を指し示し、その説明の動画を表示させる場合
「Add post」の例
入力欄の左側に表示される「+」マークより画像やビデオの挿入、右側に表示される「{…}」マークより、下の画像のように名前や会社名などを挿入できます。
「Add pointer」の例
具体的にクリックする順番などを指し示し、ツアーを作成できます。表示内容の説明を加え、次のステップへいく際にどうするかを3種類から選択します。
- 「Next or Done button」 「次へ」(または「終了」)ボタンをクリック
- 「Click on the element」 表示されている場所をクリック
- 「Fill in the field」 項目を入力する
利用者が上記いずれかの動作をすることで、ツアーの次のステップに進むことができます。
6. ツアーの作成途中で流れを確認したい場合は、画面下の真ん中にある「Preview」ボタンでツアーを確認することができます。また、各項目の右上に表示される「点が9つ並んだマーク」で移動、「ゴミ箱マーク」で削除できます。
ステップをPreviewで確認し、こまめに「Save and close」で保存しながら作業を進めていくことをお勧めします。小画面の「Save and close」で画面を閉じ、最後に元の画面の「Save and close」も忘れずにクリックしましょう!
7. 全てのステップが完成したら、Intercomプロダクトツアーのメイン画面にある②Show your tour automatically、③Show your tour automatically、④Set your goalの項目を順番に開き、指定された内容の入力、条件を設定し、最後に⑤Set your tour liveにある緑色の「Set live」ボタンをクリックするとツアーがスタートします!
【⑤ メール配信 (Emails, Series)】
ユーザーに対して、一斉にメールを配信することができます。テンプレートも選択でき(英語)、簡単に作成できます。ユーザーの使用頻度や使用期間などで条件を絞り、対象者にのみメール配信することができるのが便利です。配信設定は以下の2種類です。
- Dynamic 「live」に設定された時点で条件に当てはまる全員、もしくは、それ以降であっても条件に当てはまる人がいれば、全てに配信
- Fixed 一度きりの配信。「live」に設定された時点で条件に当てはまる人に配信される
配信メールの作成
1. 左側メニューの飛行機マーク「Outbound」→「Emails」→画面右上「New email」の順にクリックします。
2. テンプレートもしくは「New email」より選択し、①題名 ②配信者 ③メールに返信があった場合の担当者 ④配信メールの件名 ⑤メール本文の順に選択、もしくは入力します。
3. メール本文を入力する際、画面に左側に現れる「+」マークをクリックすると、画像やボタン、絵文字などが挿入できます。右側に現れる「{…}」マークをクリックで、配信相手の名前や企業名などを入力できます。
【⑥ 顧客管理 (Contacts)】
Intercomでは顧客情報が、Visitor(訪問客)、 Leads(リーダー)、Users(ユーザー)に自動的に振り分けられ、LeadsとUsersは、Intercom上のContacts(連絡先)に自動的に登録されます。会社名や特定の利用条件などでUserを絞り込んのメール配信や顧客情報の管理ができます。
顧客情報の条件で絞り込み
IntercomのContacts(連絡先)では、会社などの属性だけでなく、LeadsやUsersの中でも使用頻度や利用開始日などで対象者を抽出できるので、効率よくターゲットを絞り込むことができます。
1. 左側メニューの人マーク「Contacts」で連絡先の一覧を見ることができます。「All users」「All Leads」のほか、「Active(最終閲覧日が30日未満の人)」などに分けられています。
特定の条件で検索や抽出したい場合は、「+Add filter」から条件を入力することにより、対象者を絞り込むことができます。
【絞り込みの条件の例】
「First seen (最初の閲覧日)、Signed up(登録日)、Web sessions(訪問数)が… 」など
↓
「more than(◯日より大きい)、exactly(ちょうど○日)、lass than(○より少ない)、after(○月○日以降) on (○月○日)…」
などがあります。例えば、これら2種類の条件を組み合わせて、
・Signed up less than 7days →「登録日より1週間未満の人」(新規利用者に対して)
・Last seen after August 30→「最終閲覧日が8月30日より後」(最近(8月30日以降)利用していない人に対して)
というように絞り込むことができます。
更に、絞り込んだ対象者に対して、「New message」よりチャットやメール、プロダクトツアーなどを作成できるので便利です。
「Outbound」内にある「Series」の機能を使うと、様々な条件を組み合わせてメールやメッセージなどの配信もでき、マーケティングやプロモーションを自動化することも可能です。
【まとめ】
いかがでしたか?Intercomの概要や基本的な機能の使い方をご紹介しました。英語に抵抗がなければ、効率よくお客様の対応を行うためにもIntercomの利用はおすすめです。自動化して、お客様の対応やマーケティングにも活用してみましょう!
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