組織においてリーダーシップは重要な要素ですが、更に組織力を高めるために、リーダーを支えるフォロワーによるフォロワーシップの大切さが注目されています。
 
今回のブログでは、「フォロワーシップ」について、その効果や実施のポイントをご紹介していきます。

 
 
 

【フォロワーシップとは?】

「フォロワーシップ(followership)」とは、組織やチームの目的達成のために自発的にリーダーに働きかけ、支援することをいいます。つまり、組織やチームを率いるリーダーのもとで業務を遂行するフォロワーが主体的に考えて行動し、リーダーをサポートしていくことを意味します。

フォロワーは自発的に行動することが求められるだけでなく、リーダーと異なる意見がある際は批判したり、提言を行えることも重要です。

フォロワーシップの提唱者である米国カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査によると、組織が出す結果に対してリーダーが及ぼす影響は10〜20%ほどであるのに対して、フォロワーが及ぼす影響力は80〜90%にものぼるとされています。

このことから、組織が成果を生み出すためにはリーダーシップだけでなく、フォロワーシップが欠かせないものだということがわかります。また、フォロワーシップはリーダーによるリーダーシップのもとで効果を発揮します。

 
 
 

【リーダーシップやメンバーシップとの違い】

フォロワーシップと似たような言葉にリーダーシップやメンバーシップがありますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか?

リーダーシップとは、組織やチームをまとめ、目標達成のためにリーダー個人が組織全体にポジティブな影響力を与えることをいいます。ビジョンや方向性を示し共有することで、メンバーを先導します。

フォロワーシップは、リーダーが示したビジョンに共感したメンバーが、フォロワーという立場から積極的に組織やチームをサポートする働きのことです。フォロワーという立場からリーダーを支援するという面が強く、リーダーが方針を示し、フォロワーが具体的な行動計画を立てて実行していきます。

リーダーを支援するのが「フォロワーシップ」であるのに対し、メンバーシップはリーダーやフォロワーといった立場に関係なく、各人それぞれが与えられた役割を果たし、組織全体やチームのために貢献します。そのため、フォロワーシップはメンバーシップの一部とも言えます。

組織を成功に導くには、リーダーシップだけでなくフォロワーシップも欠かせません。両者が相乗効果を発揮して、より良い成果を生み出すのです。
 
 
 

【フォロワーシップの導入による効果】

それでは、フォロワーシップ を導入することで企業全体としてどのような効果が得られるのでしょうか?
 

【組織の活性化】

フォロワーシップ の導入によって自分のすべき業務が具体的にわかり、フォロワーやリーダーがお互いに刺激を受け合いながら働くことができるため、チーム全体の生産性の向上が期待できます。また、フォロワーがリーダーを積極的に業務に関わりサポートしようという力が働き、組織としての団結力が高まることで、組織全体が活性化していくでしょう。
 
 

モチベーションの向上

フォロワーシップ では、フォロワーひとりひとりが当事者意識を持って取り組むことができるため、自分の働きが組織に貢献していると実感できます。また、リーダーへの提案や意見が受け入れられたり、具体的な目標に向かって協力し合えていると体感できることで、モチベーションの向上にも繋がります。
 
 

信頼関係の構築

リーダーとフォロワーがコミュニケーションを深めながらお互いに認め合い、尊重し合いながら同じ目標に向かって仕事に向き合えるため、強い信頼関係が築かれていきます。また、メンバーが同じ目線をもって仕事に向き合うことができるため、組織としての団結力も強まります。
 

 
 

【フォロワーシップ実施のポイント】

実際にフォロワーシップを実践するにあたり、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか? 
 

積極的なコミュニケーション

フォロワーシップを効果的に実践するためには、お互いの立場に関係なく、本音で意見を出し合える環境づくりが大切です。相手への批判的な意見も求められるため、お互いの強い信頼関係が必要となります。普段から積極的なコミュニケーションを心がけましょう。また、企業側もコミュニケーションツールの導入や定期的なミーティングの実施などにより、従業員同士が積極的にコミュニケーションを取り合える環境づくりをしましょう。
 
 

【批判的に物事を捉える】

フォロワーシップにおいては、組織やリーダーの方針に対して、本当に正しいかどうかと批判的に物事を捉えることが求められます。そのためには、自分の考えや意見をしっかりともち、クリティカルシンキングの思考法を身に着けることが重要です。単に否定するだけでなく、物事を客観的に捉え、適切に判断することが鍵となります。

また、安心して批判的な意見を言い合える関係をつくるためにも、強い信頼関係や心理的安全性が保たれた環境づくりも重要です。
 
 

研修を行う

フォロワーの立場として何をすればよいのか、どのようにしてリーダーを支えたらいいのかということが分からない場合が考えられるため、具体的なシュミレーションなどを通しての研修を実施することが効果的です。フォロワーシップとは何かを学ぶだけでなく、実際にリーダーとしての仕事やフォロワーとして求められることも学ぶことで、それぞれのすべきことや立場が明確に見えてきます。

 
 
 

【まとめ】

いかがでしたか?組織として成果を発揮するためには、リーダーシップだけでなく、フォロワーシップの実践が重要な鍵となります。組織を活性化するため、フォロワーシップの重要性に着目し、フォロワーの育成に取り組んでみましょう。
 
 




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